Interior

no cat no life:vol.1「猫のためにリノベーション 上質でシンプルな暮らし」

「no cat no life」猫との暮らしを楽しんでいるお宅のインテリアのご紹介 vol.1

 

東京都世田谷区の閑静な住宅街に、20年ほど前に購入したというシックでモダンな外観が印象的な、低層マンションにお住まいのTさん。

東日本大震災の後、地震対策を兼ねたリノベーションを考えるようになり、当時一緒に暮らしていた愛猫が壁や床で爪を研いでいたことも考え、どうせならと「猫との心地よい暮らし」を意識した大規模なリノベーションを行うことになったといいます。

こちらのお宅にはユニークな点がたくさん散りばめられていますが、最大の特徴は、リビングとベッドルームの間に2つの通路があるということ。

元々は、長い廊下を隔ててリビングダイニングとベッドルームに分かれていた間取りでしたが、トイレの移設とキッチンの壁を取り払い、ドアを引き戸にすることで、住居の中央にO型の動線が現れました。

一般的に、住居スペースの隅に追いやられがちな、キッチン含めた水回りやストックスペースが、こちらのお宅では通路を兼ねて住居の中央に鎮座しているのです。
一方はキッチンを兼ねた通路で、もう一方は玄関・トイレ・バスルーム・壁一面に設けられたストック棚が備えられた通路になっているので、移動のついでにお茶を入れたり、移動のついでに片付けられたりと、省エネだしストレスフリーな動線を確保することができます。

猫さんたちにとっても、遮断されるものが何もない空間を気分のままにお好きな方をテクテクできるのは、きっと楽しいに違いない。

 

玄関側の通路を抜けると、北向きのお宅とは思えない、程よい光が差し込んだ明るくて気持ちのいいリビングスペースが広がります。

リノベーションは、インテリアデザイナーの方に設計をお願いし、ベッド・ソファー・テーブルや棚など殆どの家具もお部屋に合わせてデザイナーさんにオーダー。

素材感がある北欧系のインテリアがお好きなTさん。
ミニマリズムを意識し、モノやカラーもシンプルに。長く使えるものを大切にされている暮らしぶりがうかがえます。

 

海外では主流ですが、ベッドルームのすぐ横に洗面台やバスルームがあるのもこちらのお宅の特徴です。

 

ベッドルームの上には、ゲストルームとして使っているロフトスペースもあって、天井も高いので開放的。

 

猫さんたちのご紹介

Tさんのお宅にお邪魔した時には、ベッドルームにセッティングされたケージの中で仲良く寛いでいた猫さんたち。

ケージの手前にも、猫さんたちのために用意されたベッドやラグマットが配置されています。

少しすると猫さんたち、「いいでしょ、このお家。ぼくたちの自慢のお城見せてあげるよ~」と言わんばかりにケージから出てきて家の中を案内してくれました。

 

案内された先は、通路を隔てたリビング。
爪とぎや猫ベッドなどが所狭しと並んだ、猫たちにとってはプレイスペースであろう場所を見せてくれました。

画像右のプリンちゃん、以前の飼い主さんに飼育放棄されてしまったのか、推定3才のころにとあるマンションのゴミ捨て場にケージごと捨てられていたところを保護され、4年前からTさんと暮らしています。
画像左のフランソワくんは、Tさんが暮らす同じ町内で野良猫として暮らしていたところ、オフィスで飼い主がいない猫を保護している LOVE & Co. に保護されました。Tさんは LOVE & Co. のボランティアスタッフでもあり、プリンちゃんと似た風貌のフランソワくんならプリンちゃんと仲良くなれるんじゃないか・・・ということで新しい家族として迎え入れられました。

案の定とても仲良しになったおふたり~

 

こちらのお宅は、住居スペースの半分近くが猫のためにあるんじゃないかと思うほど、猫たちが快適に過ごすためのスペースやグッズがあちこちに配置されています。

デニム素材を使ったパッチワークキルトのラグマットは、なんと手芸が得意なTさんのお母さまのハンドメイド。購入したら高そう~な手の込んだビッグラグがあちこちに敷かれていて、床暖房も入っているので猫さんたちは毎日好きなところでゴロン。風邪もひきにくくなったといいます。

ダイニングスペースにも、爪とぎ兼ベッドが両脇に備わり、ダイニングチェアの上は猫さんたちのお気に入りの寛ぎスポットになっています。
ダイニングチェアは、北欧家具ショップ hike で購入したアンティークチェアの座面を張り替えてもらったもの。猫さんが爪を研がないようにお気に入りのファブリックを掛けカバーしています。

 

「ぜんぜん使ってくれない・・・」と嘆き悲しんでいたTさんですが、キャットタワーって見た目イケてないものが多いなか、こちらはTさんのインテリアにも全く違和感無く溶け込んでいます。

このキャットタワー、レッドドット・デザイン賞を受賞しているのだそう。
猫の「丸くなる」「高いところが好き」「暗いところが好き」という習性に配慮した形で、爪研ぎができる麻素材でできています。組立も積み上げるだけなので簡単でいいですね。
キャットタワー:CAINZ「NECOTA

 

こちらは猫ちぐら。
今は猫ちぐら風の安価なものも出回っていますが、注文してから数年待ちと言われている新潟県民芸工芸品の元祖猫ちぐらだそうです。

 

nekozuki の「がりがりボード
猫飼いさんにとって爪とぎは消耗品なので、結構な大きさのものを頻繁に購入したり捨てたりとしないといけないわけですが、こちらはケースの中に収まったスリムな爪とぎ部分だけ取替え可能なので、木枠は長く使えるというもの。釘を使わない組み木の伝統技術を採用し職人さんによって丁寧に作られています。グッドデザイン賞も受賞。

 

リノベーションの際に、トイレの人用の扉の横に猫用の扉を設け、人と猫が共有できるトイレになりました。猫は落ち着いた静かな場所にトイレがあることを好みます。人が頻繁にとおる場所や騒がしい場所にあると粗相やストレスの原因にもなりますし、何よりトイレ空間を猫と共有するってなんだか微笑ましい。

 

 

気になっている家具や猫グッズは?

広島で90年営んでいる木工家具ブランド「マルニ木工」の、ナチュラルな木肌を生かした長く使える椅子・テーブルシリーズの「HIROSHIMA」もいつか欲しいもののひとつ。「張地の椅子とかソファーはいいなぁ~とずっと憧れてます。猫飼いだとやはり張地に目がいってしまいますね。(笑)」

「日本の雑誌などは流行るとそればっかりになってしまう・・・」ので、インテリアを参考にする際には、海外のインテリア本やPinterestなどをチェックしているといいます。

「見るだけで買えませんが・・・」と、2017年に日本にも上陸したフランスの高級家具 Roche Bobois(ロッシュボボア)の Mah Jong(マージャン)シリーズのソファーが気になるのだそう。

猫グッズに関しては、「最近IKEAがペット用品を出しているので気になっています。ラグ類も安くていいですよね。」

 

 

猫さんと決してベタベタしたりせず、程よい距離感を保ちながらお互いの存在を尊重し猫との暮らしを楽しんでいらっしゃるTさん。

そんな生活と空間が猫さんもお気に入りのようで、最後にとっても満足気な姿を見せてくれたプリンちゃんでした。

 

 

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