久しぶりの取材訪問となる7回目は、神奈川県の閑静な住宅街にお住いの谷崎さんご夫婦と3頭の猫さんが暮らすお宅に伺いました。
エントランスから入った広~いリビングダイニングは、鮮やかなブルーグリーンの壁がめちゃくちゃ印象的です。
谷崎邸では、白い壁を探す方が困難なほど、壁紙を大胆に楽しんでいます。
こちらのお宅を購入した際、 家具を変えるよりも壁紙を変えると部屋は一変することから、思い切って楽しみながらいろんな壁紙にチャレンジしたのだそう。

間接照明の使い方もとってもお上手で、部屋のいたるところにフロアスタンドが配置されています。
家の中の照明は、ほとんどが間接照明なのだそう。
間接照明だけだと、夜になって家の中が暗くなりすぎない?と心配になりますが、人間も猫も生き物たちは、日中は明るく夜は暗いという、自然のシステムに逆らわない中に身を置いた方が自然体でいられるということで、夜に煌々と照明を明るくすることは無いのだとか。
聞くところによると旦那さまはインテリアの照明器具などのお仕事をされているそう。「なるほどプロでしたかっ!」と膝を打ちつつも、置くだけなのにグッといい感じの雰囲気がでる間接照明は、手軽に取り入れられそうですし参考にしたい!



リビングスペースの陽が当たる壁面には白いボードで棚が作られており、初代猫メロディちゃんのご供養場所になっています。
現在こちらのお宅に暮らす3頭の猫さんたちが、スピーカーを足場に登ってイタズラをしないよう、棚の左右からジャンプして入ってこれないレイアウトで工夫を。 奥様が最もお気に入りの場所でもあるのだそう。

ご夫婦で旅行中に、瀕死状態のメロディちゃんに出会いレスキューしたことがきっかけで、猫との暮らしがはじまったのだといいます。
病弱だったメロディちゃんが少しずつ元気になった頃、遊び相手になればと里親募集サイトで探したハチワレちゃんに一目ぼれをし 、港区にシェルターを持つ猫の保護団体「 人と猫の共生会議 」から譲渡してきたのが、シュガーちゃん。
シュガーちゃんは野良時代のトラウマなのか、極端に怖がりな性格で、谷崎さんたちが触れるようになるまで3年かかったのだそう。来客時は2Fに隠れて全く姿を見せないため、お友達からは「幻の猫」と言われているのだとか(笑)
そんなビビりでシャイな性格のシュガーちゃんですが、 第9代モンプチオフィシャルキャットに選ばれたそうで、今ではご夫婦の前ではめちゃくちゃ可愛い表情を見せているシュガーちゃんです。

シュガーちゃんはメロディちゃんのことを姉のように慕っていたそうで、メロディちゃん亡き後は、メロディちゃんの写真が飾ってある棚の上で過ごすことが増えたのだとか。


続いてこちらのハチワレちゃんは、やはり里親募集サイトで見つけたジャスミンちゃん。荒川区で個人でたくさん猫を保護している方から譲渡してもらったそう。もみあげのあたりまで顔周りにぐるりとある模様が、まるでドラミちゃんみたいで可愛いです~。

「 保護主さん宅で抱っこしたらペタンと脱力してからだをあずけてきたので、すぐ決めました! 」

取材させていただいたこの日は、シュガー&ジャスミンのハチワレコンビは全く姿を見せてくれませんでしので(ごめんね、長居してしまって・・・)、ご家族撮影の猫さんたちの写真と合わせてご紹介していきます。
この日唯一姿を見せてくれたのは、ポールくん。
ジャスミンちゃんとお見合い中に、人懐こくて一生懸命だったこの子を見て思わず「このコも!」となり、ジャスミンちゃんと一緒に引き取ったのだそう。

食欲旺盛のポールくん。
差しだしたオヤツに釣られて、撮影もさせてくれました!
ありがとう~
食べることに目が無いポールくんのお気に入りの場所はキッチン。
何か出てくることを期待しての待機がいじらしい。

パントリー前のラックの上もポールくんの定位置。
パントリーの扉を器用に開けてしまうそうで、イタズラ防止にT字のドアストッパーを取り付けています。


そんな3頭の猫さんたちは、普段このリビングの好きな場所で思い思いに寛いでいるそう。




上のフロアに続く階段の壁面には、ズラリと古い映画のポスターが貼られています。
ご夫婦とも古い映画がお好きで、50~70年代と年代は幅広く、ジャンルも様々だけど、お二人が好きなテイストのものを大胆に貼りまくっているのだとか。

階段途中の壁にも間接照明がありました。
珍しいデザインのライトが、クラシックな雰囲気の壁に陰影を作り、更にいい雰囲気。

階段って、昇り降りするだけの味気ない場所になりがちですが、 趣味のものを展示してギャラリーのような見る楽しみを生みだすのに、実は最高なスポットかもしれません。

2Fの廊下に設置されたキャットタワーに猫さんが寛いでいた場合には、階段を登りながらこんなキュートな光景が右手に広がることも。


寝室の壁は鮮やかな黄緑。
壁が鮮やかな場合、寝具は控えめな色を選びがちですが、壁と同じ鮮やかなグリーンをチョイスするところが凄いっ!
配置はシンメトリーを意識し、ホテルっぽさを演出しています。

同じ壁色であっても、間接照明の効果によって、異なる壁色に見えたり、奥行き感が出ています。
赤いスツールがアクセントになって可愛い。

こちらの部屋は、60年代な雰囲気たっぷりな、葉がモチーフになった壁紙を大胆に使用しています。


インテリアのこだわりを伺ってみました
インテリアで意識しているテイストはありますか?
「 何にも意識してないのですが、カラフルなモノを選ぶようにしてます。今あるインテリアと色が合わないかな〜とかバランスとかは一切考えずに、気に入ったものをザクっと選んでいます。自然の中に育つ植物はきっと色のバランスなんて気にしてないけど調和が取れている、我が家もいつの間にかそうなればいいなぁと思ってます。」
たしかに、「北欧風」とか「ミッドセンチュリー風」とか、すでに確立されているジャンルを狙っていかなくても、一見バラバラなテイストや色やモノであっても、”自分が好き”というフィルターを通して集められたモノは、不思議とバランスが良くて、何しろ自然体で調和が取れて居心地のよい空間になりますよね。
猫との暮らしの中で、工夫している掃除の仕方や掃除グッズがあれば教えてください。
「最高の対策は、なにも気にしない!(笑)お洋服についた猫毛は、もはやファッションとして諦めています。旅行先で猫の毛がついてると一緒に旅をしてるようで嬉しくなります(猫バカです)。 」
インテリアで参考にしている雑誌やスポットなどがあれば教えてください。
映画や海外ドラマの素敵なシーンを覚えていて、なにかのときに参考にしてます。いちばんの憧れはキューブリックの世界観!「時計仕掛けのオレンジ」のインテリアは最高です。いつかレトロフューチャーに統一してみたいです。
お気に入りの場所 は?
バスルーム!
黄色い丸柄の壁紙がお気に入りです。


60年代っぽいポップでレトロな印象のバスルームとは、がらりと雰囲気が変わって、2Fの洗面台は ゴールドで統一したクラシックな雰囲気です。

お気に入りのものは、ヘリオスの猫ポット!
保温も効くし可愛いし、うちの猫たちに似ています(笑)


奥様はおもてなし上手でもあるし、テーブルコーディネートは「全く狙ってないんです~」なのにこのオシャレさ。

食器類は毎日使うから、思い切って良いもので大好きなものを選んでいるそう。中でもスティグ・リンドベリの葉っぱ柄のお皿がお気に入りとか。
「これはどこのブランドですか?」と聞いてみた レトロなお皿や置物など、「特にどこのというのは無くて、実家で使っていたものを持ってきました。」と、リアルに昔から愛用していたものはずっと変わらず好きで、大切にされているのが分かります。
旦那さまがよくお土産にと買ってくるという、猫の写真集や小物が、どんどん増えていくのだそう。

スピーカーの上にも猫さん。
猫モチーフの雑貨や置物なんかもさりげなくあちこちに飾ってあるのだけど、決してファンシーではなくて、家具やインテリアに馴染んでいます。

今回は、ご夫婦がそれぞれ違った好みのテイストのものを集めて、狙いすぎることをせずとも、バランスのとれたインテリアを作り出している谷崎邸を取材させていただきました。
大胆さと、「安いからといって100均のものでとりあえず済ませたりはせずに気に入ったものだけを買う 」という物へのこだわりが、インテリアを個性的に楽しくする秘訣なのかもしれません。